山梨県豊富村は、甲府市から車でわずか30分の距離にある。 明治7年に生まれ、養蚕を基幹産業
として発展した。また、弓の達人浅利与一の墓所があることでも知られている。現在の人口は約3千
5百人で、過疎化と高齢化が進んでいる。「シルクの里公園」は、この村の活性化策として、観光拠
点であると同時に村民のレクリエーション活動の場としても意図された施設の公園部分である。
養蚕のさかんな土地柄から「シルクの里」と名づけられたこの地区には、郷土資料館、弓道場、入浴
宿泊施設、工芸館など、産業振興、文化、保養、体育を目的とした諸施設が集中しているが、本作品
は、これらの建築物を除く屋外部分の全域である。
本公園は村民の日常的なレクリエーション利用を念頭に置き、地域の産業文化をモチーフとしつつ、
デザインに「洗練された景観」を創り出そうとした。 最も意を用いたのが造成と芝生広場の演出で
ある。また、地域性を表現するために、シルクをテーマとしたマユの遊具、ネットの遊具、池には浅
利与一の像などを設置したが、 造園計画としてこだわったのが芝生広場である。 空間的広がりと、
整った景観イメージを演出するためである。都会なら当り前の芝生広場だが、山間の農業地域に洗練
された景観を持ち込もうという意図を、この芝生広場に託している。
所在地 : 山梨県八代郡豊富村飯室地内
発 注 : 豊富村
併設作品: 豊富村郷土資料館、シルクふれんどりい、与一弓道場
規 模 : 1.7ha
主要施設: 芝生広場、芝生ステージ、冒険の滝、流れ、釣り池、修景池、遊具の広場(シルクの
ハンモック、 まゆの丘、ロープウエイ) |